宇宙科学展示室

フロアガイド

Exhibits / Space

宇宙科学展示室

NASA・旧ソビエトから取り寄せた本物の宇宙機材を一堂に展示。
隕石への触覚体験も。

「本物の宇宙機材を、間近で。」を理念に、コスモアイル羽咋ではNASAとロシア宇宙局から取り寄せた本物の宇宙船・実機材を展示しています。実際に宇宙を飛んだヴォストーク帰還カプセル、本物のサンプルの月の土、完全な形で残るものとしては世界で唯一と言われるルナ24号——他の博物館では見られない圧倒的なコレクションです。

展示の区分

各展示には、その資料が何であるかを示す区分を付けています。本物=実際に宇宙を飛んだ、または飛ぶために造られた機体・部品。バックアップ機=同じ計画のために同時に造られた予備機。実機モデル=実機と同じ図面・素材で組まれた原寸の展示機。レプリカ=形を再現した複製です。

注目展示 3点

ヴォストーク宇宙カプセル
本物(飛行帰還機)・旧ソビエト

ヴォストーク宇宙カプセル

地球は青かった——人類初の有人宇宙飛行に成功した宇宙船。

実際に飛行し宇宙から帰還した本物の機体。表面には大気圏再突入時の圧縮熱による焼け焦げ跡や、地表着陸時の傷跡が残ります。球形は、どの向きで大気に入っても減速できる最も単純な形です。高度6,000mで宇宙飛行士がカプセルから飛び出し、自分のパラシュートで降りる方式が採られました。

アポロ月面着陸船
実物大模型(本物素材)・NASA

アポロ月面着陸船

人類を初めて月面に着陸させた、記念すべき宇宙船。

アポロ17号をモデルに組み上げられた実物大模型。表面の赤・金・銀のサーマルブランケットは本物と同じ素材。上段(上昇段)に宇宙飛行士2名、下段(降下段)に月面車などを積みます。降下段は発射台として月面に残り、上昇段だけが月周回軌道の司令船へ戻りました。6回の有人着陸ぶんの降下段が、今も月にあります。上昇段の壁は、薄いところで約0.3mmしかありません。

ボイジャー・ゴールデンレコード
世界唯一の本物の原盤・NASA

ボイジャー・ゴールデンレコード

宇宙人へのメッセージ——地球の存在を伝える、世界に一つしかない原盤。

ボイジャーに搭載されたレコードに地球の生命や文化を伝える音と画像が収録。レコード本体は金メッキ銅製、カバーには超高純度ウラン238が使用され、地球外知的生命体が同位体組成を解析することで収録時期を特定できる仕組み。コスモアイル羽咋に展示されているのは、そのカバーの本物の原盤。世界にたった1枚で、制作に携わった博士から寄贈を受けたものです。

Manned Spaceflight

有人宇宙飛行

マーキュリーからアポロまで、人類が宇宙を目指した足跡。

マーキュリー宇宙船レプリカ

NASA

マーキュリー宇宙船

アメリカ初の有人宇宙飛行を成功させた宇宙船。

中をのぞくと宇宙飛行士1名がやっと乗り込める広さ。弾道ミサイルの弾頭部分に取り付けられるよう設計され、必要最低限のスペースのみ。前半はレッドストーンで15分間の弾道飛行、後半はアトラスで地球を回る軌道飛行を行いました。

研究ノート円錐部は長さ約2m・最大直径約1.9m、アンテナ部を含めた全長は約3.5m、重さ約1.4t。最初の設計では小さな丸い窓が2つだけで、飛行士たちの「外が見たい」という要望で大きな台形の窓に変わりました。選ばれた7人「マーキュリー・セブン」のうち実際にマーキュリーで飛んだのは6人。船名の末尾の「7」は仲間7人への敬意です。

ヴォストーク宇宙カプセル本物

旧ソビエト

ヴォストーク宇宙カプセル

人類初の有人宇宙飛行に成功した宇宙船。

ガガーリンの「地球は青かった」で知られる宇宙計画の機体。実際に飛行・帰還した本物で、表面には大気圏再突入の焼け焦げ跡が残ります。

研究ノートガガーリンはカプセルのまま着地したのではなく、高度6,000mで座席ごと飛び出し、自分のパラシュートで降りました。ソ連は記録認定のため、この事実を長く伏せていました。日本で知られる「地球は青かった」は報道による要約で、原語の記録では「空はとても暗く、地球は青みがかっている」と述べています。

アポロ司令船本物素材モックアップ

NASA

アポロ司令船

人類を月面に送り込んだ宇宙船の中枢。

1969年7月、アポロ11号の司令船「コロンビア」は月までの38万kmを往復しました。地球へ帰るのは司令船だけです。展示は実機と同じ部品・素材で組まれた原寸の展示機。日本では「アポロチョコレート」のモデルとしても知られます。

研究ノート部品は司令船・機械船で約200万点。1967年の火災の教訓で、ハッチは数秒で外に開く構造に改められました。底面の直径は約3.9m。再突入は秒速約11kmで、表面は最高約2,700度に達します。すぐそばには、1968年12月の人類初の月周回飛行アポロ8号でジェームズ・ラベル飛行士が実際に使った通信用の帽子「スヌーピーキャップ」の本物も並びます。

アポロ月面着陸船実物大模型

NASA

アポロ月面着陸船

人類を月面に着陸させた記念すべき宇宙船。

アポロ17号をモデルに組み上げた実物大模型。サーマルブランケットは本物と同じ素材。

研究ノート船内に座席はなく、2人は立ったまま操縦しました。脚の中の蜂の巣状のアルミが、着陸の衝撃で潰れて一度だけ衝撃を吸収します。

Lunar Exploration

月探査

アメリカと旧ソビエト、それぞれの月への挑戦。

月面車実機モデル

NASA

月面車

アポロ計画で月面を走った、伝説のローバー。

1階ロビーに展示。アポロ15号以降の3回で使われた月面車の実機モデルです。手元のT字型コントローラーで運転し、設計上の最高速度は時速13km。アポロ17号のサーナン船長が時速18kmを記録しました。実際に使われた3台は、今も月面に残されています。

研究ノート製作はボーイング社、車輪とモーターはゼネラルモーターズ。車輪は亜鉛めっきした針金を編み、踏み面にチタンの板を張ったもので、ゴムは使っていません。3回で走った距離は合計およそ90km。アポロ17号では壊れたフェンダーを月面の地図4枚とテープで修理しました。ソ連の無人月面車ルノホート1号は、予定の3か月を大きく超えて11か月も月面で働いています。

ルナ・マーズローバー本物(実験用プロトタイプ)

NASA

ルナ・マーズローバー

月や火星の走行を想定した、NASA実験車。

NASAがグラマン社に製作委託した火星・月面走行を想定した実験用プロトタイプ。NASAジョンソン宇宙センターから羽咋市への100年間の長期貸与。4輪が独立稼働するため小回りが利きます。

ルナ24号本物のバックアップ機

旧ソビエト

ルナ24号 月面探査機

完全な形で地球に残る、最後の1機。

ルナ計画は1号から24号まで20年にわたって月をめざし、無人で月の土を地球に持ち帰ることにも成功しました。展示されているルナ24号は本物のバックアップ機で、完全な形で地球に残るルナはこれが最後の1機と言われています。館の説明では推定価値13億円。

研究ノートルナ計画はコロリョフの設計局から始まり、1959年のルナ3号が人類で初めて月の裏側を撮影しました。24号が持ち帰った月の土は170g。以後44年間、月の土を持ち帰った探査機は現れず、2020年の中国・嫦娥5号まで「最後の月試料回収機」でした。

月の土本物のサンプル

NASA(アポロ17号採取)

月の土

実際に月から持ち帰られた、本物の月面土壌。

アポロ17号が月面で採取し地球に持ち帰った月の土サンプル。NASAから借用している本物。ほとんどが「玄武岩」で構成されています。

研究ノートアポロは6回の着陸で合計382kgの岩石と土を持ち帰りました。館の資料はその一部です。1971年には、ソ連のルナ16号が持ち帰った月の土3gと、アポロの月の土3gが交換されました。競争のさなかでも、科学者たちは分け合っていたのです。

Planet & Mars Exploration

惑星・火星探査

太陽系の外縁、そして火星生命の謎へ。

ボイジャー惑星探査機実機モデル

NASA

ボイジャー惑星探査機

人類史上、地球から最も遠い場所にいる探査機。

1977年打ち上げ。1号は木星と土星、2号は木星・土星に加え1986年に天王星、1989年に海王星へ人類初の接近観測を行いました。各惑星で新衛星やリング、火山活動などの発見が続きます。1号は秒速約17km、2号は約15kmで太陽系の外へ向かい、2012年と2018年に恒星間空間へ出ました。

ゴールデンレコード世界唯一の本物の原盤

制作者からの寄贈

ボイジャー・ゴールデンレコード

宇宙人へ向けたメッセージ。

地球の生命や文化を伝える音と画像を収録。金メッキ銅製、カバーには超高純度ウラン238使用。コスモアイル羽咋にあるのは、カバーの本物の原盤。世界にたった1枚です。

研究ノート恒星間空間では侵食がほとんど起きないため、レコードは約10億年もつと計算されています。館の原盤は、制作に携わった博士の自宅に保管されていたものを、館の担当者が「宇宙や科学に夢を抱く日本の子どもたちのために」と直接頼み込み、寄贈を受けたものです。

バイキング 火星探査機実機モデル

NASA

バイキング 火星探査機

火星に生命体は存在するか——人類初の火星生命探査。

火星表面に川の跡が発見されたことから水と生命体の存在が期待された。火星に着陸する「ランダー」と輸送する「オービター」から構成。土壌中の微生物を調査する能力があり、人類史上初の地球外生命体発見につながる可能性が注目された。

研究ノート着陸地点は安全のため何度も選び直され、予定していた7月4日から16日遅れて着陸しました。最初に送ってきた写真は、自分の脚でした。

Rockets, Engines & Satellites

ロケット・推進系・通信衛星

宇宙への扉を開いた、推進力の歴史。

レッドストーンロケット本物

NASA

レッドストーンロケット

飛ぶために造られた本物のロケット(胴体・屋外展示)。

NASAから入手した本物の機体(胴体)。マグネシウム合金が使われ、屋外設置でもほとんど錆びません。レプリカを作れば工事費込みで1億6千万円という見積もりでしたが、NASAと直接交渉し本物を1,000万円で購入しました(高野誠鮮『ローマ法王に米を食べさせた男』より)。全長26.6m(先端の宇宙船・脱出ロケットを含む)。先端の黒い宇宙カプセルと赤い脱出用ロケットは展示用です。

研究ノートもとは軍の弾道ミサイル。人が乗れるように部品を選び直し試験を重ねる「マン・レーティング」を経て、アメリカ初の宇宙飛行士シェパードを宇宙へ運びました。

RL-10 ロケットエンジン本物(実験用機材)

NASA

RL-10 ロケットエンジン

アメリカ初の液体酸素・液体水素による高出力エンジン。

アトラスロケットやタイタンロケットの上段「セントール」に使われ、様々な宇宙機を宇宙空間に送り込みました。サターンIの第2段にも6基が並び、改良型は今もアトラスV・バルカン・SLSの上段で現役。1963年の初飛行以来、2023年までにセントール用だけで522基が飛びました。液体酸素・液体水素という推進剤の組み合わせは、サターンVや日本のH-IIA/H-IIBにも受け継がれました。

研究ノート冷却で温まった水素でポンプを回す「エキスパンダーサイクル」を実用にした最初のエンジン。RL-10 を積んだ「セントール」は、館のバイキング・ボイジャーと同じ型の探査機を宇宙へ送り出しました。

LE-5 エンジン燃焼器本物

日本

LE-5 エンジン燃焼器

日本が開発した、初の実用液体水素エンジン。

H-Iロケットの第2段エンジンとして1970年代なかばから国内で開発。日本初の実用液体水素エンジンで、1986年8月の初号機でいきなり軌道上の再着火にも成功しました。推力103kN、比推力450秒。LE-5A、LE-5Bと順次改良され、H3ロケットのLE-5B-3まで、日本のロケットエンジンの基礎を確立した名機。

研究ノート初飛行の年、米マクドネル・ダグラス社がデルタロケット用に購入を打診。武器輸出の解釈で実現しなかったが、完成度の高さを示す出来事でした。

モルニア通信衛星本物(バックアップ機)

旧ソビエト

モルニア通信衛星

世界中を電波網で結んだ、ソビエトの大型通信衛星。

1965年4月に初号機を打ち上げ、1990年代までに100機以上。「モルニア軌道」と呼ばれる細長い楕円軌道で、北半球の上空に長くとどまり、モスクワと極東・北極圏を結びました。6枚のプロペラ状の太陽電池パネルを持ち、1966年4月打上げの3号機からは雲の分布を写す実験用のテレビカメラも搭載。同年5月30日には、地球の全体像を1枚に収めた最初期の写真を送っています。

研究ノート世界中に地上局を置けなかったソ連は、アンテナを積んだ通信船を海に浮かべ、モルニア衛星を経由して宇宙船とモスクワを結びました。

Suits & Special Exhibits

宇宙服・特殊展示

宇宙飛行士を守る装備、そして謎の展示。

船外活動用宇宙服レプリカ(本物素材)

NASA

船外活動用宇宙服

"最小の宇宙船"と呼ばれる、生命維持の極致。

アポロ17号モデルのレプリカ。月面は昼約110度/夜約マイナス170度(JAXA による)。下着に縫い込んだ細い管に冷やした水を流し、作業で火照る体から熱を奪います。ヘルメットバイザーには紫外線と赤外線を遮るため純金が薄く貼り付けられています。

研究ノート約20層の布と膜を重ねた構造で、服の中の気圧は地上のおよそ4分の1。背中の生命維持装置は消耗品を積んで約47kgありました。縫ったのは女性用下着メーカーから生まれたILCドーバー社で、縫い目のずれは0.4mm以内を求められています。12人が6回の着陸で合計およそ80時間を月面で過ごしました。アポロ17号のサーナン船長は「私たちは月を探しに行って、地球を見つけた」と語っています。

船内服本物(サーナン船長着用)

NASA

船内服

最後に月面から帰還したサーナン船長の本物の船内服。

アポロ17号船長ユージン・サーナン宇宙飛行士が実際に着ていた船内服。並んで展示されているスペースシャトル時代の青い船内服も、NASAから借用している本物。

フレデフォートクレーター隕石本物の隕石

南アフリカ

フレデフォートクレーター隕石

20億年前の石を、素手で触れる。

現存する世界最大の隕石衝突跡。衝突した天体は直径10〜12kmと推定されています。コスモアイル羽咋の展示は、直接素手で触ることができる本物です。

ロズウェル事件の宇宙人模型

米国ロズウェル事件由来

ロズウェル事件の宇宙人

墜落したUFOから発見されたという、伝説の宇宙人。

1947年米国ニューメキシコ州ロズウェルで墜落したとされるUFO事件。事件後に広まった証言や映像表現を参考に制作した展示模型です。UFO・地球外生命体コーナーと併せて展示。

展示の細部を見る

本物ならではの質感は、近づいてこそ分かります。展示室で探してほしい細部を、写真で。クリックすると大きな画像が開きます。

マーキュリー宇宙船 底面の逆噴射ロケットマーキュリー宇宙船 底面の逆噴射ロケット マーキュリー宇宙船 ハッチから見た船内マーキュリー宇宙船 ハッチから見た船内 ヴォストーク 再突入の焼け跡ヴォストーク 再突入の焼け跡 ヴォストーク 射出座席ヴォストーク 射出座席 ルナ・マーズローバー 皿形の金属車輪ルナ・マーズローバー 皿形の金属車輪 ルナ・マーズローバー 運転席ルナ・マーズローバー 運転席 ルナ・マーズローバー 電源装置ルナ・マーズローバー 電源装置 RL-10 冷却管の壁RL-10 冷却管の壁 モルニア通信衛星 胴体中央の計器部モルニア通信衛星 胴体中央の計器部 モルニア通信衛星 パラボラアンテナモルニア通信衛星 パラボラアンテナ ボイジャー ゴールデンレコードの取付位置ボイジャー ゴールデンレコードの取付位置 ボイジャー 観測機器の腕ボイジャー 観測機器の腕 船内服の袖のスピードマスター船内服の袖のスピードマスター オメガ・スピードマスターオメガ・スピードマスター ルナ24号 試料回収カプセルルナ24号 試料回収カプセル ルナ24号 エンジンルナ24号 エンジン ルナ24号 アンテナルナ24号 アンテナ バイキング 土をすくうアームバイキング 土をすくうアーム バイキング 上部の観測機器バイキング 上部の観測機器 アポロ司令船 展示室の中央でアポロ司令船 展示室の中央で アポロ司令船 ハッチから見た船内アポロ司令船 ハッチから見た船内 マーキュリー宇宙船 先端部マーキュリー宇宙船 先端部 RL-10 ターボポンプと配管RL-10 ターボポンプと配管 ルナ24号 上昇段とカプセルルナ24号 上昇段とカプセル ルナ24号 全体ルナ24号 全体 スヌーピーキャップ(通信用の帽子)スヌーピーキャップ(通信用の帽子) アポロ月着陸船 上昇段のハッチと窓アポロ月着陸船 上昇段のハッチと窓 アポロ月着陸船 傘型の通信アンテナアポロ月着陸船 傘型の通信アンテナ バイキング 着陸用の逆噴射エンジンバイキング 着陸用の逆噴射エンジン UFO 目撃レポートのファイルUFO 目撃レポートのファイル アポロ月面車(1階ロビー) 計器盤と操縦桿アポロ月面車(1階ロビー) 計器盤と操縦桿 アポロ月面車(1階ロビー) 前に載せたテレビカメラアポロ月面車(1階ロビー) 前に載せたテレビカメラ アポロ月面車(1階ロビー) 2人分の座席アポロ月面車(1階ロビー) 2人分の座席 アポロ月面車(1階ロビー) 傘のように開く高利得アンテナアポロ月面車(1階ロビー) 傘のように開く高利得アンテナ スペースシャトル「コロンビア号」の耐熱タイルの破片スペースシャトル「コロンビア号」の耐熱タイルの破片 平和の鈴「UFO ベルリンリン」(ベルリンの壁のかけらを混ぜた土鈴)平和の鈴「UFO ベルリンリン」(ベルリンの壁のかけらを混ぜた土鈴)

Touch Experience

触れる体験

20億年前のフレデフォートクレーター隕石など、実物に直接触れられるコーナーが各所に。スミソニアン式の演出で、薄暗い宇宙空間照明、天井から吊るされたモルニア通信衛星などダイナミックな展示。お子様にも大人気です。